煮干し

海水茹でだけじゃない、長崎の煮干しの煮熟技術

煮干しだし

私たち東亜物産の仕入れる長崎県産煮干し(いりこ)は、海水で茹でられていることは『海水茹で』のページで紹介しましたが、今回は長崎の煮干しの煮熟工程について紹介します。

煮熟水の温度は95度前後に自動調節されています。しかし、煮熟時間については、煮干しの原料の大きさや状態などで異なるため、これまでの経験にもとづいた、長崎の加工場の職人の高度な技術が必要となるのです。さらに、脂肪含量の多いカタクチイワシカタクチはやや長めに煮熟したり、新鮮なカタクチは煮熟水の温度を若干低めで煮熟したりと、調整も必要となるそうです。

煮熟時間は、煮干しの原料となるカタクチの大きさで異なります。例えば、煮熟時間が短いと生煮えの状態になりますし、逆に煮熟時間が長すぎるとカタクチの腹部が避けて売り物にならなくなってしまいます。

煮熟は、長崎では海水を用いて蒸気で加熱されますが、近年の減塩嗜好をから海水に食塩の添加は行いません。煮熟工程で塩水を用いることで、煮干しのツヤも良くなり、身の締まりも良くする効果があるそうです。

煮干しの製造にもっとも重要なのは原料となるカタクチの鮮度ですが、保存食品としての煮干しの見た目や商品価値に大きく影響する煮熟技術も同様に重要なのです。

(参考資料)「長崎県総合水産試験場」ホームページ