東亜物産、藤原祥司です。長崎県漁連指定買受人として、煮干いりこの入札に長年参加している私は、長崎県産煮干いりこが贔屓目なしに最もうまいと思います。
全国各地でつくられた煮干いりこと、長崎県産のものを食べ比べれば、明らかに違いがわかります。
とにかく、長崎の煮干は抜群にうま味があるのです。
私自身、残念ながら科学的な裏付けをした資料を確認したことはありません。長年、煮干いりこの仕入れをしてきた私の舌が、長崎のいりこは、間違いなくうまいと感じています。
1つ言えることは、長崎の海域は、いりこの原料であるカタクチイワシなどの餌となるプランクトンやオキアミが豊富なのです。牛や豚などの家畜に良い餌を与えたら、その肉もうまくなるというのと同じで、長崎の近海は良質なプランクトンやオキアミがいっぱいいます。
また、長崎はプランクトンやオキアミが豊富なのと同時に、海の滋養もいっぱいです。雨が多い長崎の陸地部分は山岳地形ですので、大地のミネラルをたっぷり含んだ雨水が川を介して海に流れ込みます。長崎は、陸の豊富な栄養分を海がたくわえ、カタクチイワシなどの魚介類にとって、最高の環境が整えられているのです。