漁港

長崎では、満月を挟んだ5日間は休漁期間

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長崎では、満月を挟んだ5日間は休漁(禁漁)期間となります。
地元では、この期間を「月夜間(ツキヨマ、またはツクヨマ)」と言い、漁師さんだけでなく、製造業者(加工業者)さん、私たちのような問屋も、少しヒマになります。
その期間は休みになる魚市場も多く、入札会も閑散となります。

満月の日前後は、長崎だけでなく、九州方面で禁漁になるそうです。

満月の夜は明るいので、魚が水中深くに潜ってしまって漁にならないという説、魚の乱獲防止のための禁漁期間という説もあって、以前からモヤモヤした気持ちでいました。

そこで、今回、思い切って地元漁協に訊いてみたところ、地元漁協からは、以下のような回答を頂きました。

『漁船は集魚灯を使って、魚をおびきよせ、集まってきた魚を巻き網で捕るのですが、満月とその前後の月夜は明るくて集魚灯の効果が落ちるため、漁獲量が少なくなることが多い。そのため、長崎では満月を挟んだ5日間は漁を控えることになった。』

農林水産省によると、日本国内の2021年の(煮干しの原料となる)カタクチイワシの漁獲量は11万7000トンで、ピーク時の19年前の53万5000トンの4分の1以下に減少しています。
国産カタクチイワシ漁獲量1位の産地で、全国シェアは28.5%を占める長崎県も例外でなく、カタクチイワシ漁獲量は減少傾向で推移しています。

このように国産カタクチイワシ漁獲量が減っていることを考えると、長崎の「月夜間」は、長崎が生産量日本一の煮干しいりこの原料となるカタクチイワシの乱獲防止のための禁漁期間という説も当たっているように感じます。