煮干し

きみは「煮干し」なのか。「いりこ」なのか。その1

煮干しとは文字通り、煮て干したものです。また、あらゆる食材で煮干したものは全て「煮干し」であると言えるはずです。しかし、煮干しと聞くと、海の魚を思い浮かべる方が多いかと思います。陸上生物の肉類で「煮干し」を耳にすることはほぼないのではないかと思います。私は聞いたことがありません。

つまり、煮干しというのは、海産物、特に魚類に特化した呼称であるとはっきり言えるのではないでしょうか。

煮干しとして流通している魚類は、マイワシ、ウルメイワシ、キビナ、アジ、サバ、エソ、カマス、トビウオなどがありますが、圧倒的に皆さまが目にすることが多く、もっとも有名なのはカタクチイワシです。煮干し=カタクチイワシと言っても過言ではないほどです。魚類以外でもイカやエビなどの煮干しも見かけますね。

そして、いりこです。
東亜物産の拠点である長崎県では、煮干しを「いりこ」と呼ぶこともあります。煮干しといりこをどう使い分けているのか?と聞かれると、私どもの経験上、特に意識をしたことがないというのが正直なところです。

結局のところ「煮干し」と「いりこ」に違いは何なのか!?

答えは、違いはない!違いが分からない!ということになってしまうのですが、私なりの考察をいくつか書き留めてみようと思います。

まずは、地域的な呼称説です。
煮干しを取り扱う業者さん達で作った全国煮干協会が1999年に発刊した「煮干し ニボシの履歴書・煮干しの科学」によると、北は北海道から、南は沖縄まで全国的に「煮干し」と呼ばれているようです。対して「いりこ」は、近畿地方より西の西日本における呼称に偏っているとのことです。

よくよく考えると、たしかに関東のお客様から「いりこ」と言われたことがない気がしてきました。
よって、地域によって煮干し、いりこと呼び方が異なってると言えるでしょう。